花の癒し効果 〜簡単なお花の扱い方を知って、花の癒し効果を感じる日々を〜

花を見ると気分が落ち着いたり、明るい気持ちになったりします。

「花には癒し効果がある」ということを聞いたことがあるかもしれません。

花に癒し効果があるというのは確かなことなのでしょうか?

また、花にはどのような癒し効果があるのでしょうか?

花の癒し効果とは

「活気」の増大

花の癒し効果は医学的にも証明されており、花(生花)のある部屋では、花のない部屋に比べて「活気」が大幅に増大し、「混乱」、「疲労」、「緊張・不安」、「抑うつ」、「怒り・敵意」などが低下することが明らかになっています。

リラックス効果

バラの生花を用いた調査では、花のある部屋では交感神経活動が低下し、副交感神経活動が上昇することが分かったということです。


交感神経活動の低下は、ストレス状態が緩和されているということであり、逆に副交感神経活動の上昇は、リラックス状態が深まっているということを意味しています。


このような調査結果から、花(生花)にはリラックス効果があることが証明されたということです。

また、花のある部屋にいた人が、花のことを意識していてもいなくても体は自然とリラックスし、「花の癒し効果」があるということも分かっているそうです。

このようなことから、家や職場などに生花を飾ると、自分だけでなくその場にいる周りの人たちも「花の癒し効果」の恩恵を受け、リラックスできるということが分かります。

リラックスした心の状態でいられたら、人間関係も良好になり、家族の笑顔が増えたり仕事がスムーズに進んだりすることが期待できます。

その他 花がもたらす効果

花の香りによる効果

植物の香りがもたらす身体や脳へのリラックス効果は、アロマセラピー分野において実際に利用されています。

このような香りによる効果は、生花の香りでも同じような効果が期待できるということです。

イヴピアジェバスケット2

バラの生花を用いた香りの実験においては、前述のバラの花を部屋に置いた実験同様に、交感神経活動の低下と副交感神経活動の上昇が見られ、リラックス効果があるということが分かっているそうです。

花の香りは記憶を思い起こす

香りを感じる臭覚は、人間の五感の中で唯一、本能的な行動や喜怒哀楽などの感情と深い関わりのある大脳辺縁系に直接つながっているそうです。


大脳辺縁系には、記憶の保管庫のような役割を果たす海馬があり、海馬は香りを察知するとその香りに関わる記憶を見つけ出すそうです。


そして、香りを嗅いだときに感じた喜怒哀楽や好き嫌いの感情を呼び起こします。


そのため、香りを嗅いだ瞬間に「記憶」と「感情」がよみがえるということです。

以上のことから、心安らぐ記憶と結びつくような香りの花を飾ることで、気分もリラックスできます。

アロマセラピーなどで紹介されている植物の香りの効用もありますが、ご自分の記憶をたどりながら、幸せな記憶と結びつく花の香りを探して楽しまれると、記憶と香りがセットの心地よい気分を感じられそうです。

花の色による効果

色の持つ人の心や身体に与える影響は、色彩心理学として研究されています。

ビタミンカラーアレンジメント

例えば、赤は元気が出たりやる気が高まったり、気分を高揚させる効果があります。

黄色やオレンジなどのビタミンカラーと言われる明るい色は、明るく活発な気分になったり、暖かな印象を与えたりします。

ピンクは、可愛さ、恋愛、甘さなどのイメージを持つ色で、気持ちを晴れやかにしたり恋愛を意識させたりする効果があり、寒色系の水色は、気持ちを落ち着けたり、集中力を高めたりします。

このような色の持つ心理的な効果も考慮して、自分の心の状態に合った花の色を選んだり、花の色から得られる効果を利用して心の状態を調整したり、花の色による効果を活用することもできます。

簡単なお花の扱い方

花の持つ様々な効果を日々の暮らしの中で楽しめるように、簡単にできる花の扱い方をご紹介します。

少し手間をかけてあげることで、花もちがよくなり長い間花を楽しめるようになります。

水切り

花が水を吸い上げやすいように、花を買ってきたら、たっぷりの水を張ったバケツやボウルの中で茎を斜めに2〜3cm切ります。(水切り)

水切り
水切り

水中で茎を切ることで、茎の中の空気が抜け水の通りが良くなります。
(水圧がかかったほうが空気が抜けやすいので、水の深いところで切ると効果的です。)


また、茎を斜めに切ることで、茎の断面積が広くなり花が水を吸い上げやすくなります。

割り入れ
茎を半分に割ったもの



茎が太いものや枝物は、斜めに切った後、茎の先端を半分に割っておくと水の吸い上げに効果的です。


飾り方

花を花瓶などに飾るときは、水の量を底から5㎝ほどに少なめに飾るようにします。

水の量2
水は少なめに、底から5㎝ほどに

たくさんの水に茎が浸かっていると、茎が腐り花が水を吸い上げられなくなるため、花のもちが悪くなってしまいます。



葉から水分が出て行ってしまうことを防ぐために、余分な葉は切り落とし、少なめにして飾ると花も長く元気でいられます。

飾る場所は、直射日光やエアコンなどの風が直接当たらない涼しい場所に飾ります。

その他気をつけること

花瓶の水が腐ると雑菌が繁殖し、花に悪影響を与えます。

水をきれいに保つために、夏は1日1回、冬は2〜3日に1回ほどの頻度で水を替えるようにすると花のもちが良くなります。

おわりに

花には視覚や香りから得られる癒し効果や色による色彩効果など、美しさだけでない素敵な魅力があります。

暮らしの中に花を取り入れて楽しみ、花の持つ効果を感じる日々を過ごしていただけたら嬉しいです。

花のある暮らし