シンボルツリーにも最適!「オリーブの木」 〜植える時の注意点〜

オリーブの木
オリーブの木

花言葉に「平和」「知恵」を持つオリーブは、幸せを呼ぶ木として、鉢植えや庭木などで楽しまれています。


細長い楕円の葉の表は光沢のある濃緑色で、裏は小さな毛が細かく生え、光が当たると銀色に輝くように見えるとても清々しい葉です。


素敵な花言葉や印象を持つオリーブの木を、家のシンボルツリーとして植える方も多いと思います。

私の住んでいる地域にもオリーブの木を植えている家が何軒かあるのですが、シンボルツリーとして植えられたオリーブの木が枯れてしまったり、だんだんと葉が落ちてきたりしているオリーブの木を見かけました。

どちらのオリーブも植えてから1年ぐらいは、とても元気で青々とした葉を茂らせて生育旺盛だったのですが、どうして枯れたり、元気がなくなったりしてしまったのでしょうか?

この記事では、オリーブの木をシンボルツリーなどで庭に植える時の、基本的な育て方や、近隣のオリーブの木の様子から気づいた注意点などをご紹介します。

これからオリーブの木を植える計画をされている方や、植えたオリーブの木の様子でお困りの方の参考になれば嬉しいです。

オリーブの木について

オリーブの実とオリーブオイル

オリーブはモクセイ科オリーブ属の常緑の高木で、樹高は2〜5mほどになる植物です。

地中海沿岸を原産地とするオリーブは、太陽の光や温暖な気候、水はけの良い土壌を好み乾燥には比較的強い植物です。

耐寒性もあり、寒風を防げば年間の平均気温が15~22℃程度の場所で露地栽培が可能です。



オリーブの木は、シルバーグリーンの細長い楕円の葉や樹形の美しさなどから観葉樹としての人気も高いですが、実をならせることができれば、果実はピクルスやオリーブオイルとしても食することができます。

(自家受粉しないため、実らせたい場合は2品種以上を植えるようにします。)

オリーブの木の基本的な育て方(庭木)

植え付け場所・日当たり

日差しを浴びるオリーブの木

オリーブは日光を好み過湿に弱いため、日当たりがよく水はけの良い場所に植え付けます。

植え付け時期

オリーブは、真夏と真冬以外なら通年植え付けることは可能ですが、3月中旬から5月中旬頃が適期です。

風で苗木が揺れると根が痛んでしまうため、支柱を立てて支えるようにします。

用土

地植えの場合、植える場所をしっかりと耕し、土を柔らかくするためのたい肥を入れて土とよく混ぜ合わせて植えます。

水やり

水かけの様子

オリーブは温暖な気候を好み乾燥には強い植物なので、地植えの場合はしっかり根付けば定期的な水やりは必要ないです。

逆に、過湿に弱いため、過度な水やりをしてしまうと根腐れを起こしてしまうので注意が必要です。

肥料

やせた土地でも育ちやすいオリーブですが、地植えの場合、2月と10月に化成肥料または油かすを与えます。

病気と害虫

病気

炭そ病(たんそびょう):カビが原因となって起こる病気です。

7月から11月頃に発生します。

野菜や植物の葉、果実などに黒や灰色のカビの斑点が発生し、葉に穴が開いたり果実が窪んだりします。

予防するためには、枯れ枝や弱った枝を切り落として風通しをよくすることと、水はけをよくすることです。

窒素分を含む肥料を控えることも効果的だということです。

害虫

オリーブアナアキゾウムシ:成虫が木に卵を産みつけ、ふ化した幼虫が枝や幹の内部を食べてしまいます。

木の内部から侵食されるので気付きにくいですが、株元におがくずのようなものが落ちていることで気づくことができます。

株元や幹をよく見てぼろぼろと木が崩れるところを見つけたら、中にいる幼虫や成虫を退治するようにします。

オリーブの株元には何も植えず、雑草を取ってきれいにしておくと、早めに気付き対処することができます。

剪定

放任していても樹形は整うので、3〜4年に一度、2月〜3月上旬に枝抜きや切り詰めで樹形を整え、内部の細かい枝を整理します。
(光や風が良く通るような枝ぶりに剪定します。)

植える時の注意点

長い間生育旺盛に育っているオリーブの木と、植えてから1〜2年で枯れたり元気がなくなったりしてきたオリーブの様子を見て気づいたことなどです。

強すぎる日差しに注意

日光を好むオリーブですが、近年の強すぎる日差しを浴び続けることは、オリーブにとって過酷な状況なのかもしれません。

特に夏に日中から厳しい西日まで太陽が照りつける場所は、オリーブにとっても暑すぎる環境のように思います。

特に植えてから間もないオリーブは、まだしっかりと根が張れていないため十分な水を吸うことができないので、暑すぎる環境は避けた方が良さそうです。


長年元気に大きく育っているオリーブは、家の東側や西日を遮る建物の陰に植わっていることが多いです。

強風が吹き付けるところはNG

オリーブは風で苗木が揺れると根が痛み、枯れてしまうことがあります。

根がしっかりと張るまでは支柱を立てて支えてあげますが、強風が吹き付けるようなところでは、支柱を立てても木が揺れてしまい、うまく根付くことができません。

そのため、風当たりの弱いところに植えたり、囲いなどをして強風を防ぐようにするのが良さそうです。

根元に石をひきつめない

オリーブを植えた根元に庭石などを乗せてしまうのもよくない環境のようです。

さらに日当たりの良い場所であると、夏には日差しで石が熱くなり土の中が水不足になったり、過熱のために根が痛んでしまうように思います。

比較的乾燥に強いオリーブですが、根がしっかり張るまでは土の様子を見ながら水の管理が必要です。

根を広げられるスペースを確保

コンクリートで固めた駐車場の一角に、オリーブが植えられていることがあります。

地中までしっかり根を張った木なら大丈夫かもしれませんが、オリーブがしっかりと根を張るためには、ある程度の広さのやわらかく耕した場所が必要です。

オリーブを植える時には、しっかりと根を張れるスペースの確保にも気をつけたいです。

以前、植栽をしていた造園屋さんと話した時に、幼木は大きくなるにつれて力強く根を張っていくのだけれど、大きく成長した木はそこから根を張っていくのが難しいことがあるということを聞きました。

また、宅地用に造成された土地は頑丈に固められているため、十分に穴を掘って土を耕してあげないと根を張っていくのが難しいということでした。

このようなことからも、オリーブの木を植える時には、これから大きくなっていく苗木を十分な広さの柔らかく耕した場所に植えられることをオススメします。

十分なスペースに植えられたオリーブの木

まとめ

この記事では、オリーブを植える時の基本的な育て方や気をつけたい注意点をご紹介しました。

植える時の注意点ををまとめると以下の3点です。

オリーブの木を植える時の注意点

①日差しが強すぎるところや強風が吹き付けるところは避けて植える

②オリーブの木の根元に石をひきつめない

③オリーブの木が根を広げられるスペースを確保して植える

幸せを呼ぶ木といわれるオリーブの木が元気に大きく育っていくように、基本的な育て方を参考に、注意点に気をつけながら植えてみてください。

もしも今、庭などに植えたオリーブの木が元気がなく、上記の注意点に当てはまるようなことがあったら、植えてある場所の変更や日除け、風除けなどの対処を検討してみてください。