【どんぐりゴマの作り方】〜最強のどんぐりは「アベマキ」〜
だいぶ秋が深まってきました。
近くの公園に散歩にいくと、小さなどんぐりが落ちていました。
まだ時期が早いため、落ちていたものは緑色のものが多く、木にも緑色のどんぐりがたくさんなっていました。
どんぐりは、工作を楽しんだり、クッキーなどの料理に使ったり、秋を楽しみ味わうことのできる植物です。
今回はそんなどんぐりで作る「どんぐりゴマ」についてご紹介します。
お子様と一緒にどんぐりゴマを作って遊ぶ参考になれば嬉しいです。
どんぐりとはブナ科の実の総称
ふだん私たちが「どんぐり」と呼んでいるものは、ブナ科(コナラ属、シイ属、マテバシイ属)の樹木の実のことです。
そのため「どんぐり」といわれる木の実には、たくさんの種類があります。
代表的なものには、コナラ、クヌギ、シラカシ(どれもブナ科コナラ属)、マテバシイ(ブナ科、マテバシイ属)、スタジイ(ブナ科シイ属)があります。
マテバシイやスタジイはアクが少ないので、炒めたり、実を粉にしてクッキーの生地に混ぜて食べたりすることもできます。
<コナラ>
実は細長く、ぼうし(殻斗・がくと)は魚のウロコのような模様。
葉は横幅が広く、縁がギザギザしている
<クヌギ>
実は大きくて丸い
もじゃもじゃぼうし(殻斗・がくと)が特徴的
葉は細長く、縁にギザギザがある
<シラカシ>
コナラの実とよく似ている細長い実だが、ぼうし(殻斗・がくと)にしま模様があるところで見分けられる
葉はやや厚くてしっかりとしている(目立つほどのギザギザはない)
<マテバシイ>
殻が硬くてしっかりとした大きめの実
ぼうし(殻斗・がくと)は、魚のウロコ状の模様
葉は厚くてツヤがありギザギザはない
炒めた実は栗のような味がして意外と美味しい
中身を粉にしてクッキーなどに利用できる
<スタジイ>
小さく細長く先が尖った実
実全体がぼうし(殻斗・がくと)に包まれている
落下する頃になると、ぼうしが3つに裂けて実が見える
先端が尖った滑らかな葉
炒った実は香ばしく美味しく食べられる
準備について
どんぐりゴマに適したどんぐり
どんぐりゴマには、作りやすさや安定した回転のよさなどから、大きめのどんぐりが適しています。
種類でいうと、マテバシイ、クヌギなどです。
最強のどんぐり「アベマキ」
「アベマキ(ブナ科コナラ属)」は、本州最大といわれるどんぐりです。
このアベマキで作ったどんぐりゴマは、重量感があり安定して長く回ります。(作り方や回し方にもよります)
アベマキはクヌギにとてもよく似たどんぐりで、もじゃもじゃぼうし(殻斗・がくと)の丸くて大きな実です。
本州最大といわれるように、クヌギよりも一回り大きな実ですが、ぱっと見はクヌギにとてもよく似ているため見分けるのが難しいです。
虫予防
拾ってきたどんぐりには、ゾウムシの仲間が実の中に卵を産みつけたものがあります。
そのようなどんぐりをそのままにしておくと、卵から幼虫が生まれて出てくることがあります。
そのため、虫予防の処理をしてからコマ作りをすることをおすすめします。
殻の硬いマテバシイは、虫が発生しにくいです。
虫予防の方法
虫予防の二つの方法をご紹介します。
どちらの方法もどんぐりを拾ってきたら、まずは実に穴があるものを取り除いてから行ってください。
穴が空いているものは、ほぼ確実に虫がいるので取り除きます。
①冷凍庫で凍らせる
拾ってきたどんぐりをビニール袋に入れて1週間から10日ほど冷凍させます。
②鍋で茹でる
沸騰したお湯の中でどんぐりを5〜10分茹でます。
茹ですぎると殻が割れてしまうことがあるので、注意しながら茹でてください。
①、②どちらの方法も、処理後のどんぐりをしっかりと乾かしてからご使用ください。
よく回るどんぐりゴマの作り方
どんぐりにつまようじを刺す
どんぐりのぼうしを取ったところの中心に、キリなどで穴を開けてつまようじを刺します。
(つまようじを刺す深さは、どんぐりの長さの1/2 以上2/3ぐらい。)
※穴を開けるときには、怪我のないように注意が必要です。
「木の実あなあけゴム固定台」というものがとても使いやすいですが、メーカー製造中止となっているので、ゴムパッドなどに穴を開けて代用してみてください。
キリで開けた穴にボンドを入れてからつまようじを刺すと、つまようじが固定でき回しやすいです。
つまようじの長さを調節する
つまようじが長いとバランスが悪く、うまく回らないことがあります。
回した時の様子を見ながら、安定して回転するようにつまようじを短くしていきます。
よく回るコマ作りのポイント!
穴はどんぐりの中心に開け、つまようじをまっすぐ刺すようにすると、基本的にはよく回るコマを作ることができます。
しかし、全てはバランスの問題で、自然の産物のどんぐりには完璧な左右対称の形はなく微妙に歪んでいます。
そのため、わずかに穴が中心からズレていても、また、つまようじが少し斜めになっていたとしても、どんぐりの形とのバランスが良ければよく回るどんぐりゴマになります。
試行錯誤しながら、コツを見つけていくのも楽しいものです。
色や絵をつける
ポスカのようなサインペンで、作ったどんぐりゴマに色を塗ったり絵を描いたりするのも楽しいです。
たてじまに塗ったものと横じまに塗ったものでは、コマを回した時の色の見え方に違いがあります。
どんな違いがあるか試してみてください。
どんぐりゴマの回し方
どんぐりゴマは、いろいろな回し方が楽しめます。
オーソドックスに指で摘んで回す方法、つまようじを両手の手のひらに挟んで回す方法などがあります。
また、つまようじを下にして回す「逆さゴマ」にも挑戦してみても面白いです。
緩やかに傾斜のついた浅いお皿などを使うと、「けんかゴマ」も楽しむことができます。
どんぐりの木がたくさんある場所
愛知県東三河地方でどんぐりの木がたくさんある場所をご紹介します。
(施設によってはイベントなどでどんぐりを使うこともあるので、どんぐりを拾う時には、施設管理の方に一言聞いてから拾われるといいです。)
・田原市 白谷海浜公園(愛知県田原市白磯5)
駐車場や広場の脇の植え込みにマテバシイの木がたくさんあります。
・田原市 滝頭公園(田原市田原町西滝頭6)
公園散策道の脇にマテバシイやクヌギの木が植っています。
・田原市 権現の森(愛知県田原市田原町蔵王5)
入り口の遊具のある広場や山道途中の広場にクヌギの木があります。
・豊橋市 のんほいパーク【豊橋動植物公園】(愛知県豊橋市大岩町大穴1−238)
植物園ゾーンや憩の広場にマテバシイ、クヌギなどの木があります。
そして、ここには本州最大のどんぐり「アベマキ」の木があります!
・豊橋市 岩屋緑地(愛知県豊橋市大岩町火打坂)
散策路脇にたくさんのクヌギの木が植えられています。
・豊川市 赤塚山公園【ぎょぎょランド】(豊川市市田町東堤上1番地30)
第一駐車場付近にクヌギの木があります。
園内他のところにもどんぐりの木はあると思います。
・豊川市 野中公園【どんぐり公園】(愛知県豊川市蔵子5丁目12−36)
【どんぐり公園】という名の通り、マテバシイやクヌギなどたくさんのどんぐりの木があります。
以上、どんぐりの木がたくさんある場所をご紹介しました。
どんぐりには1年で実になる「1年成どんぐり」と2年かけて実になる「2年成どんぐり」があるため、年よって落ちている様子が違います。
・1年成どんぐり・・・コナラ、シラカシ
・2年成どんぐり・・・クヌギ、アベマキ、マテバシイ、スタジイ
花との相性もいいどんぐり!
あまり店頭で見かけることはありませんが、どんぐりの枝は花材として活用されることもあります。
どんぐりの実がついた枝を使うと、とても秋らしさを感じられる作品に仕上げることができます。
もしもどんぐりの実がついた枝が売られているのを見つけたら、花瓶に挿したりブーケやアレンジメントに取り入れたりして秋を感じるのもいいですね。
まとめ
この記事では、秋も深まりこれからが楽しいシーズンのどんぐりについて、種類や「どんぐりゴマの作り方」についてご紹介しました。
散歩やレジャーに出かけた時などにどんぐりを拾ったら、どんぐりゴマ作りに挑戦してみてください。