【彼岸花(ヒガンバナ)】いろんな色や種類を楽しめます

彼岸花(ヒガンバナ)と聞くと、真っ赤な花が思い浮かぶ方も多いと思いますが、今ではいろんな色や種類がたくさん出回っている植物です。

そして彼岸花(ヒガンバナ)は、葉と花を一緒に見ることができないちょっと変わった植物なのです。

今回は、そんな彼岸花(ヒガンバナ)についてご紹介します。

ヒガンバナ

彼岸花(ヒガンバナ)とは

秋のお彼岸の頃に咲く彼岸花(ヒガンバナ)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草の球根植物です。

彼岸花(ヒガンバナ)は、お墓の近くに植えられていたり、「彼岸」=「あの世」というイメージがあったりすることから、あまりよく思われない別名をたくさん持っています。

しかし、彼岸花(ヒガンバナ)の別名の中でもよく聞かれる「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」とは、法華経などの仏典に由来しサンスクリット語で「紅色の花」を意味するそうです。

また、「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」には、「天界に咲く花」「見る者の心を柔軟にする」というサンスクリット語の意味もあり、「赤い花」「天上の花」としてめでたい兆しとしされることもあるようです。

彼岸花の色や種類

赤色の彼岸花

赤色の彼岸花(ヒガンバナ)

彼岸花と聞いてすぐに思い浮かぶのは、鮮やかな赤色の彼岸花(ヒガンバナ)ではないでしょうか。

この赤い彼岸花(ヒガンバナ)は、「リコリス・ラジアータ」という品種です。

彼岸花(ヒガンバナ)には、赤色以外にも白や黄色のものもあります。

また、彼岸花(ヒガンバナ)の仲間のリコリス属の植物は、品種改良が進みたくさんの色や種類があります。

白色の彼岸花

白色の彼岸花(ヒガンバナ)

白色の彼岸花(ヒガンバナ)は、「シロバナマンジュシャゲ」(白花曼珠沙華・シロバナヒガンバナ)といわれています。

シロバナマンジュシャゲは、赤色の彼岸花(ヒガンバナ)と黄色のショウキズイセン(下記の黄色のヒガンバナ)との雑種といわれているそうです。

しかし、彼岸花(ヒガンバナ)は種のできない植物なので、詳しい起源については分からないところもあるようです。

リコリス(ヒガンバナの仲間)には、「リコリス・ニアホワイト」という白色の花のものや、白に赤(ピンク)が少しだけ混ざった「リコリス・アルビフローラ」という品種もあります。

黄色の彼岸花

黄色の彼岸花(ヒガンバナ)

黄色の彼岸花(ヒガンバナ)として知られているのは、「ショウキズイセン」(鍾馗水仙・ショウキラン)というヒガンバナ科の植物です。

赤色の彼岸花(ヒガンバナ)と比べると、花びらの幅が広く反り返りも少ないです。

黄色のリコリス(ヒガンバナの仲間)には、「オーレア」「喝采」などたくさんの品種があります。

その他の種類など

ヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の植物は、品種改良によって上記以外にもオレンジやピンクなどたくさんの種類があります。

育て方も簡単なため、カラフルなリコリスを庭を彩る花の一つに加える方も増えているようです。

「葉見ず花見ず」の彼岸花

彼岸花(ヒガンバナ)は少し変わった植物で、お彼岸の頃、花が咲く時には葉がありません。

地中の球根から花茎だけをスーと伸ばし、高さ30cm~50cmの長い茎に大きな花がポツンと咲きます。

彼岸花4
地中から花茎だけを伸ばす彼岸花(ヒガンバナ)

そして、花が咲き終わった頃に葉が茂ってきます。

このように彼岸花(ヒガンバナ)は、花と葉を同時に見ることができないため、「葉見ず花見ず」と言われることもあります。

10月半ばになり、彼岸花(ヒガンバナ)の花もすっかり咲き終わり、今は葉が出てきています。

彼岸花(ヒガンバナ)の葉
彼岸花(ヒガンバナ)の葉

以前、彼岸花(ヒガンバナ)の花が咲き始めた時に、葉も一緒に出ているような彼岸花(ヒガンバナ)をご紹介しました。

彼岸花(ヒガンバナ)花と葉は同時に現れないはずなのに・・・

今年初めての彼岸花(ヒガンバナ)を見つけました。 日中はまだとても暑いですが、季節は秋に移り変わっていますね。 「暑さ寒さも彼岸まで」 異常気象とも言われる気候で…

その時の彼岸花(ヒガンバナ)の今の様子は、

彼岸花(ヒガンバナ)咲き終わった様子
10月17日の様子

花は咲き終わっています。

そして、花茎の出ている地面を見てみると、彼岸花(ヒガンバナ)の葉が出ていました!

彼岸花(ヒガンバナ)の葉

別の葉が茂っているところに彼岸花(ヒガンバナ)の花が咲いていたので、いかにも彼岸花(ヒガンバナ)の葉のようでびっくりしましたが、本当の葉は、花が終わってから出てきていました。

彼岸花3
彼岸花(ヒガンバナ)の花が咲いている様子

彼岸花の毒について

華麗な花姿や豊富な色が魅力の彼岸花(ヒガンバナ)やリコリス(ヒガンバナの仲間)ですが、どちらも有毒の植物であるため注意が必要です。

彼岸花(ヒガンバナ)やリコリスに含まれるアルカロイドという毒は、花、茎、葉、球根、すべての部分に含まれていて球根には特に強い毒があるということです。

誤って食べてしまうと、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすそうです。

触れる程度であれば問題ないと言われていますが、絶対に口にしないように気をつけてください。

彼岸花(ヒガンバナ)やリコリスを庭に植えたり、花を飾ったりする時なども、小さなお子様やペットなどが誤って口にしないように注意してください。

おわりに

彼岸花(ヒガンバナ)は、新見南吉「ごんぎつね」の情景描写に出てきます。

お話の中で物悲しい情景描写に使われているように、赤い彼岸花(ヒガンバナ)には、どことなく哀愁を感じる花のイメージがありました。

しかし、今は品種改良によって色とりどりの華やかな種類が出回り、これまでのイメージとは変わってきているように思います。

彼岸花(ヒガンバナ)は、昔を懐かしむように赤い彼岸花(ヒガンバナ)を楽しんだり、華やかなリコリス(ヒガンバナの仲間)を楽しんだり、幅広く楽しめる花です。

そんな彼岸花(ヒガンバナ)やリコリスを庭に迎えてみたり、切り花で楽しんだりしてみるのもいいですね。

ピンクと黄色の彼岸花(ヒガンバナ)