最後は体感で見極めるバラ栽培のプロ
先日バラの仕入れに農家さんを訪れました。
お母さん(オーナーの奥様)が接客中だったので、作業場の外で待っていたのですが、オーナーさんが温室からきて、お話をすることができました。
自分の体で感じ、バラにとって心地よい環境を保つ
朝晩は寒いぐらいの気候にもかかわらず、作業場の外にかわいいバラの花が咲いていました。
「だいぶ涼しくなってきたのに、まだ屋外でこんなにきれいなバラの花が咲くのですね。」
と質問したところ、オーナーさんが、
「まだ、昼間の温度があるから大丈夫なんだよ。
バラも人と一緒、人が気持ちよく感じる気候はバラも心地よく咲くことができる。」
「温室の中も自分が入ってみて気持ちよく感じる状態なら、バラにとっても心地いい環境なんだよ。
温度計もあるけど、最終的には自分の体で感じ、心地いい環境になるように温室の様子を見て回るようにしている。」
ということをお話ししてくださいました。
バラ栽培は子育てと一緒
さらにオーナーさんから、
「バラを育てるのは、子育てと一緒だよ。
手をかけないのもダメだし、かといって手をかけすぎるのも良くない。
いつも気にかけながら見守り、状態に合わせた必要な手をかけてやる。」
という「バラ栽培に対する根幹」のような姿勢も教えていただきました。
オーナーさんの話から、日々、目の前のバラと向き合い、試行錯誤を繰り返しながら身に付けてきたバラ栽培の勘所のような奥深さを感じました。
長年一緒に仕事をしてきたお母さんの言葉
接客を終えたお母さんに、
「オーナーさん、さすがプロですね。」
と言うと、お母さんは、
「昔より、大事に育てるようになりました。土耕のバラにこだわり、育て続けていくことを貫き通したんですよ。」
ということを話してくれました。
このようなお話をしてくれたお母さんの様子から、オーナーさんへの尊敬の気持ちが伝わってくるように感じました。
きっと今までにはいろいろなことがあり、その過程でオーナーさんが変わってきた様子を、一番身近なお母さんは一緒に支え合いながら感じてきたのだろうなと感動しました。
二人の姿を見て後を繋ぐ息子さん
こちらのバラ農家さんは、今は息子さんが後継者として意欲的にバラ栽培に取り組まれています。
オーナーさんの思いや栽培方法を受け継ぎながらも、新しい品種の栽培や販売方法など息子さんならではの手腕も発揮しています。
華やかに美しく咲き、見る人の心を和ませてくれるバラの花。
その美しさには、見た目だけのものではなく、真心込めて手をかけてくれた人たちの温かい思いも表れているように感じます。
そんな心のこもったバラを、これからも大切にアレンジメントに使っていきたいです。