真夏にも鮮やかな花を咲かせるサルスベリ(百日紅)
真夏の暑さの中、樹木は青々と葉を茂らせていますが、花を咲かせる木はとても少ないですね。
そんな中だからこそ、真夏でも鮮やかなピンクや白の元気な花を咲かせる、サルスベリ(百日紅)の花が目立ちます。
花の咲く樹木が少ない夏にも元気に花を咲かせ、緑一色の風景の中に紅白の美しさを演出してくれるサルスベリですが、庭木として植えるとなると気にする方もいるかもしれないですね。
サルスベリは、お寺やお墓などに植えられていることが多い花木です。
これは、サルスベリが花の少ないお盆の時期にも、綺麗な花を咲かせることや、仏教の三大聖樹(印度菩提樹、無憂樹、沙羅双樹)のうちの無憂樹(ムユウジュ)に似ているという理由があるそうです。
また、サルスベリの樹肌がツルツルで、木登り名人の猿でもツルッと滑って落ちてしまうということから、サルスベリは「猿滑」とも書かれます。
そこから、「滑る」という言葉がよくないことを連想させるため、庭木には向かないとされることがあるようです。
しかし、サルスベリは前述したように、花木が少ない夏にも鮮やかな花を咲かせ、さらに「百日紅」と漢字で書かれるように、開花期が6月から9月と100日近く次々と花を咲かせ続けます。
さらに、サルスベリは育てるのが簡単な樹木で、しっかりと根付けば水やりが不要で手間がかかりません。
夏の強い日差しや冬の寒さにも耐性があるので、安心して育てられます。
樹形を整えるために剪定は必要ですが、素人の剪定でも枯れることはない強い性質の木です。
先日訪れた、中山道柏原宿には大小たくさんのお寺がありました。
散歩をしていると至る所でサルスベリが目に入ります。
お寺だけでなく、たくさんの民家にもサルスベリが植えられていたことから、この地域の人々と神社仏閣とのつながりは、とても深いものがあるのだろうと感じられました。
庭木には向かないという説のあるサルスベリですが、気にされない方であれば、植栽の夏のアクセントに加えてみるのもいいかもしれないです。